2007年 02月 17日
アンバランスセレクション |
最近読んだ本。今年は今まで手を伸ばさなかった本も読んでみようと思って。たまたま職場の本屋にあったので、という単純な理由で選んだ文庫本。しかし、職場の本屋。職場関連の専門書が中心で端っこに少し文庫本が置いてある。この少しのスペースに置く文庫本は誰が選んでいるんだろ?
微妙なセレクション。
「ニュートンの林檎(上・下)」、辻仁成:うーん・・・やっぱり苦手かも、こういうの。というか共感できる登場人物もいなければ、ストーリーの展開にも引き込まれるほどのものでもなく。とかく難解な(?)言葉遣いというか・・・うーん・・・。まぁ、今年も始まったばかり、読んでいるうちにこの手のものにもアタリがあるかも、とも思ってみたり。
「佐賀のがばいばあちゃん」、島田洋七:話題になったし。両親が子供の頃はこんな時代だったんじゃないかなぁ。貧しい時代を明るく描いた、想像通りの内容。ただし、やはり書くことを生業としない人が書いた文章はこんなものなのね、という感じ。ってゴーストライターが書いてたりして(笑)。ニュートンの林檎を読んだ後だったので、文調や構成が単純すぎて、物足らない感じ。この2冊を同時に選んだpirogonのせい?
「彼女のこんだて帖」、角田光代:料理にはどうやらストーリーがあるらしい。登場したこんだてのレシピも載っているので再現可能なところが気に入った。15のショートストーリーがスマートな感じで展開されていて、この手の恋愛小説チックなものをあまり読まないpirogonにもすんなり入ってくる。「ストライキ中のミートボールシチュー」という妻のストライキ中に夫が妻と子供のために料理する、という話。これは相棒にぜひ読んでおくように、と申し渡した。まぁ、ウチの場合ストライキをしても、結局はどっかでこちらが妥結して料理するってことになるんだろうけど。著者が記した「あとがきにかえて」の最後の一文。「今日の夜何作ろうか?とぼんやり考えることは、ときに煩雑だけど、ときにこれ以上ないほどの幸福でもある。」pirogon、納得の一文。忙しいけど、自分のために誰かのためにおいしいものを作って食べるってことは、生活や自分たちの血となり肉となると、時々、ふと思う。時には手をかけて、時には手を抜いて・・・くみちゃん、共に兼業主婦、頑張ろうね!
「中原の虹(一、二)」、浅田次郎:いやいや、スケールでかすぎです。前作「蒼穹の昴」から続いている時代。一巻は新たな人物登場。二巻は先に出た西太后と春児が登場。この中国三部作に出会うまで浅田次郎は敬遠していたけど、本当にスクリーンで見ているような中国の大地の描写がいい。話の内容は言うに及ばず。西太后は世紀の悪女だと思っていた。オフィスの中国人同僚もあの人のせいで中国は遅れている、悪い人だと言っていた。浅田次郎は、本当は思慮深く、美人で、情があり天才的な政治家(?)であるが、倒れ掛かった清朝が諸外国に蹂躙されることを阻止するために悪女を演じていた、と西太后を描いている。人民の自分を憎む力が新しい中国を支えると言い、限りなく国を愛する西太后。歴史にはいろんな見方がある。こういう見方もアリなんだ。実際に交わされた会話はわからないけど、このストーリーが歴史に則しており、濃厚な感じがする作品。王逸とであった毛沢東、春児と生き別れた兄との再会などなど、まだまだ楽しめそうだ。
このあと三巻、四巻に続くらしい。しかし、出版日は未定。
待ちきれないから、講談社さん、出版急いでください。
微妙なセレクション。
「ニュートンの林檎(上・下)」、辻仁成:うーん・・・やっぱり苦手かも、こういうの。というか共感できる登場人物もいなければ、ストーリーの展開にも引き込まれるほどのものでもなく。とかく難解な(?)言葉遣いというか・・・うーん・・・。まぁ、今年も始まったばかり、読んでいるうちにこの手のものにもアタリがあるかも、とも思ってみたり。
「佐賀のがばいばあちゃん」、島田洋七:話題になったし。両親が子供の頃はこんな時代だったんじゃないかなぁ。貧しい時代を明るく描いた、想像通りの内容。ただし、やはり書くことを生業としない人が書いた文章はこんなものなのね、という感じ。ってゴーストライターが書いてたりして(笑)。ニュートンの林檎を読んだ後だったので、文調や構成が単純すぎて、物足らない感じ。この2冊を同時に選んだpirogonのせい?
「彼女のこんだて帖」、角田光代:料理にはどうやらストーリーがあるらしい。登場したこんだてのレシピも載っているので再現可能なところが気に入った。15のショートストーリーがスマートな感じで展開されていて、この手の恋愛小説チックなものをあまり読まないpirogonにもすんなり入ってくる。「ストライキ中のミートボールシチュー」という妻のストライキ中に夫が妻と子供のために料理する、という話。これは相棒にぜひ読んでおくように、と申し渡した。まぁ、ウチの場合ストライキをしても、結局はどっかでこちらが妥結して料理するってことになるんだろうけど。著者が記した「あとがきにかえて」の最後の一文。「今日の夜何作ろうか?とぼんやり考えることは、ときに煩雑だけど、ときにこれ以上ないほどの幸福でもある。」pirogon、納得の一文。忙しいけど、自分のために誰かのためにおいしいものを作って食べるってことは、生活や自分たちの血となり肉となると、時々、ふと思う。時には手をかけて、時には手を抜いて・・・くみちゃん、共に兼業主婦、頑張ろうね!
「中原の虹(一、二)」、浅田次郎:いやいや、スケールでかすぎです。前作「蒼穹の昴」から続いている時代。一巻は新たな人物登場。二巻は先に出た西太后と春児が登場。この中国三部作に出会うまで浅田次郎は敬遠していたけど、本当にスクリーンで見ているような中国の大地の描写がいい。話の内容は言うに及ばず。西太后は世紀の悪女だと思っていた。オフィスの中国人同僚もあの人のせいで中国は遅れている、悪い人だと言っていた。浅田次郎は、本当は思慮深く、美人で、情があり天才的な政治家(?)であるが、倒れ掛かった清朝が諸外国に蹂躙されることを阻止するために悪女を演じていた、と西太后を描いている。人民の自分を憎む力が新しい中国を支えると言い、限りなく国を愛する西太后。歴史にはいろんな見方がある。こういう見方もアリなんだ。実際に交わされた会話はわからないけど、このストーリーが歴史に則しており、濃厚な感じがする作品。王逸とであった毛沢東、春児と生き別れた兄との再会などなど、まだまだ楽しめそうだ。
このあと三巻、四巻に続くらしい。しかし、出版日は未定。
待ちきれないから、講談社さん、出版急いでください。
by pirogonK
| 2007-02-17 19:25
| 読・観・聴